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顧客/ユーザー

     

 顧客ということばは、通常「お客さま」とつかわれることばです。意味は、ISO9001 品質マネジメントシステム、QMSに、「製品(サービス)を受け取る組織または人」として、例を「消費者 consumer、依頼人 client、ユーザー end-user、小売業者 retailer、受益 者beneficiary、購入者 purchaser」とあげています。
 原義は慣わし、ですから、日本語のお得意、得意先にちかいことばです。

 顧客満足 customer satisfaction を標榜するQMSは、9001:2000版からのことで、1987年の第一版は、ただの品質システムQSでした。そのときの顧客は依頼者 clientであり、買い手 buyerであったのです。品質は、性能のバラツキや故障が少ないこととでした。

 今日、顧客は、一義的に、消費者、ユーザーということになり、顧客満足も、消費者、ユーザー満足ということになります。
 顧客/ユーザーとしたのは、ユーザーに、生活者、消費者をふくませるためです。生活者ということばがつかいにくく、消費者ということばは生産者との対立概念となりますから、ここでは多用しません。

・消費者とは権利

 一般的に消費者ということばは、一般市民という意味にもつかわれています。けれども、CSRのステークホルダーの対象として、そのままつかうのは不都合があります。
 消費者 consumer は、生産者 producer に対して消費者といわれるように、本来生産者と対峙する存在です。企業は生産者として製品・サービスを生産して市場に託し、一般生活者は消費者としてそれを選択購入して消費します。
 このとき製品・サービスは十分に役立つだけでなく、健全 sound が確保されていることが、消費者が選択購入する前提です。この場合、健全ということばは、安全と心身ともにすこやかなことをいいます。

 消費者にはその前提が保証される権利があり、生産者にはそれを保証する責任と義務があります。政府・行政も製造物責任法(PL法)など各種法的規制を整備してその権利を保全しています。
 消費者とは、製品・サービスとそれらにかかわる企業活動に対して、利益・利便・安全・健全を損なわれない、オフィシャルな権利をもつ存在です。購入者purchaser は消費者の一部であり同義です。
 これらは、CSRを権利と義務からはじめないという、TBLllpの理念にもとります。

 つぎに需要 demand と供給 suply という問題があります。市場という場所で、生産者は製品・サービスの供給者となり、消費者は需要者となります。
 需要者は必要とする製品・サービスを適正に供給される権利があり、モノ不足の時代には有効な権利です。必要とするモノが限られ量が課題になります。
 モノ余りの時代には必要とするものの質が課題になります。質はモノの機能構造の保証ですから権利にふくまれます。権利を生じるのはそこまでです。つまり法規制にかかわる問題はそこまでで、CSRにとってそれらはコンプライアンスの前提であって、課題ではありません。

・消費者から生活者へ

 さらにあらたに必要とするモノが需要者にも供給者にも課題になります。需要の創造といわれるものです。
 そのとき、需要者は現状のモノの延長線上にまたそこから外れたものを必要として暗示し、供給者の側はその暗示の延長線上に需要の創造喚起という働きかけを行ないます。
 そして、ここからのこれらの行為は、需要者としてでなく生活者としての範疇にはいります。
 消費者でなく、あえて生活者というのは、権利、義務をこえた存在だからです。適当な訳がありませんから、意味のちかい、生活者 lifestyle としておきます。

 特定の立場をもたないかわりにすべての立場をもつ、顧客の代表的な存在ということになります。ユーザー、エンドユーザーは、製品・サービスを通じて生産者と交流がありますから、特定の製品・サービスとかかわりをもった生活者ということになります。
 すると生活者とは、顧客、エンドユーザーとして特定の製品・サービスを享受するとき、それらを享受するような生活スタイルをつくっている主体者ということになります。

 後先からいったら、生活スタイルが先にあってそれにみあう製品・サービスを選択購入した結果、ユーザーになっているのです。
 ただ、ユーザーのライフスタイルをよく考えた製品・サービスが先にあって、それに触発されることでユーザーのライフスタイルが更新されたということもあるでしょう。ドラッカーが述べている需要の創造がそれです。

 したがって、顧客/ユーザーというステークホルダーに対する、もっとも重要なかかわりは、生活者すなわちライフスタイル対する配慮ということになります。
 製品・サービスを供給することで企業が生活者に与える影響は、生活者のライフスタイルの変化への影響にほかなりません。
 するとそこには生活者の経済・社会・環境の全般にわたるロードマップというものがあります。企業組織ばかりでなく、個人の生活レベルで持続可能性 sustainability がいわれる今日では、どういう生活をしていくかという選択は、個々人の生きかたそのものになっています。

・浪費を助長してはいけない

 浪費を助長してはいけない。このことばについては、説明がいるかもしれません。生活者の今日的な関心事は、健康と環境です。ベーシックなそれとしては安全と安心です。
 社会的なまた将来的な危険と不安があり、ぬぐいさることはできませんが、それらの社会の荒廃は、わたしたち自身の荒廃した生活に起因するかもしれません。

 また、生活者は、健康と環境と社会生活とを分けて生きていくことはできません。健康は自分自身への責任ですが、健康の維持のために、地球環境を損なうことはできません。
 ベジタリアンスタイルが世界的に敷衍しはじめているのは、植物性食品が健康によいということだけでなく、動物性食品の環境影響と動物愛護などのファクター、最近では将来にわたる浪費という視点から、妥当性が比較されているからです。

 とくに浪費 waste は、生活者の生きかたの問題として大きなテーマでしょう。浪費はすなわち怠惰 idleness であり、健康と環境の悪化も、社会的な荒廃も、ひいては危険や不安の増加も、生活者ひとり一人の浪費と怠惰により引き起こされるのです。
 天は自ら助くる者を助くといった150年前のイギリス人サミュエル・スマイルズは「自助論」でこういっています。

 「われわれひとり一人が勤勉に働き、活力と正直な心を失わない限り、社会は進歩する。反対に、怠惰とエゴイズム、悪徳が人々の間にあはびこれば社会は荒廃する。われわれが『社会悪』と呼びならわしているものの大部分は、実はわれわれ自身の堕落した生活から生じるのだ」

 浪費をしない、怠惰でいないという態度 attitudeは、どういったらよいでしょうか。やはりディーセンシー decency*ということばなどがもっともふさわしいでしょう。
 慎み深い、礼儀正しい、見苦しくない、上品ななどの意味をもちますが、要は、時代と場所と立場に見合っている態度をいいます。

 *ディーセンシー:科学史家の村上陽一郎氏が「安全学」で提起した姿勢の指針
 (→ことばの意味)


・サステナビリティ・ライフスタイルのプロダクト指針

 企業がそうした生活者に対して行なう製品・サービス開発はどういうものでしょうか。
 第一は、に生活者の将来をテーマとする活動です。再生可能な省資源と省エネルギーでつくり、再生可能な省資源と省エネルギーで稼動し、リユース・リサイクルできる製品・サービスです。
 また、ICタグなどによって、原材料からのトレーサビリティが具わっている製品・サービス、さらに、多様な使用者の健全な、心身とライフスタイルに、将来にわたって寄与するような製品・サービスです。
 これに関しては、需要の創造という観点から、生活者の予測される、あらゆる将来的要請にまで配慮するようなものでなければなりません。

 第二は、現在をテーマとする活動です。先のように、浪費を助長するような製品・サービスを市場に出していかないということです。
 一つ、留意すべきことがあります。マーケティングという手法そのものが、市場において浪費を助長する活動という考え方があります。
 そうしたらなにもできなくなるということになりかねませんが、そうではありません。サステナビリティが保全されていれば、浪費ではなくなるからです。
 たとえば、すべてを再生可能な資源・エネルギーによったプロダクトは、買い替えしても浪費にはなりません。再生可能というの延長線上にウェイストフリー waste free が実現するからです。

 第三は、現在の生産活動で、現実として社会と環境にかけている負荷の低減です。その的確な説明責任と、安全、健全をふくむ機能構造上の品質の安定です。
 さらに、ここに、必要不可欠な法規制への適合状況があります。製造物責任をまっとうするなど、当然のこととしてなければなりません。リコール態勢などもそれです。アクシデント・リポートのような自主的な作成と公開なども、向後の予防として有効です。

 最後に、過去に起した著しい社会と環境への影響があれば(かならずなにかあります)、その修復または代償となる行為です。世代間 リコールという考え方です。象徴的な行為になるかもしれませんが、それでもかまいません。

 生活者の生きかたとしての今日的なテーマは、Lifestyle of Sustainabirty not Waste というようなものなのです。  

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