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株主・投資家

     

・企業の外部の代理人

 株主 stockholder は、企業の外部の代理人 agent です。企業の主体者でも所有者でもありませんが、配当金、株主総会、年次報告書、コーポレート・ガバナンス、株主代表訴訟など、株主の権利としてもつものは、その代理人としての存在に由来します。
 企業の内部の代理人としての経営者と機能を相互補完する存在です。

 ただしアメリカでは、株主はいまだ、主体者 principal であり所有者 owner です。経営者がひとり代理人と位置づけられています。
 したがって株主価値がそのまま企業価値ということになります。CSRは、株主ひとりのために企業価値を高めていく行為ではありませんから、アメリカのこの慣行は、早晩、時代との齟齬が露呈してくるでしょう。

 代理人としての株主は、したがって企業の健全な経営を期待して、モニターし、発言し、見直しを要請することができます。これに対して、企業は、的確なモニターが可能なように、正確な経営資料を提示しなければなりません。
 株主に対する説明責任は、今後とも、年次報告書ばかりでなく、四半期報告書、CSR報告書など、質量ともにますます中身を求められていきます。いずれもCSRの前提となるもので、当然の法規制対応の延長線上にセットされるものです。

・投資家としての株主へ資する

 株主は投資家 investor であり、出資者であり、その主たる関心事は、リターンすなわち株価と配当です。けれども、由来と役割からすれば、支援者 financial supporterでもあります。
 そのときリターンは主体的なサポートの成果ということになります。企業は基本的な姿勢として、株主を支援者としてあつかうべきでしょう。

 したがって、投資家の関心も、本来、個人と機関とをとわず多様です。支援に値するかという主体的な判断は、それぞれのライフスタイルに依存し、その固有のライフスタイルをよく体現する企業に関心を抱くのです。
 その結果として、企業を、また企業の製品・サービスを、マイ・フェイバリット my favorite (お気に入り)として受け入れるのです。

 そして、ライフスタイルは時代の影響をうけます。SRI(社会的責任投資)は、そうした今日的なライフスタイルのあらわれです。
 経済、社会、環境のサステナビリティであり、自己の健全とサステナビリティにほかなりません。

 したがって、企業として株主に与えることのできる影響のうち、第一は、株主のそのサステナビリティに資することです。株主と共有したい、企業の次世代への使命、CSRへの姿勢と取り組み、そしてその具現化としての製品・サービス特性、ベースとなる業績と健全な財務、比較可能な会計などについて、理解をもとめることです。これが、株主への説明責任にほかなりません。

 そのための多様な機会もつくっていかなければなりません。たとえば、株主優待などのツールも、そうしたテーマとの連動からアプローチします。すべては将来のためです。

・投機を助長しない

 企業として株主に与えている影響のうち、第二に配慮すべきことは、投機を助長することがないように律していくことです。
 投機に振られた投資は、それ自体が目的となり、利殖のためにはなにをしてもよいということになりがちです。怠惰をまねき、犯罪にも結びつきかねません。これは機関投資家でもかわるところがありません。

 投機を助長しない一つは、企業として、株価に影響しそうな情報はなんであれ、決定後すみやかに公開することです。
 タイムラグがすくないほど、非公開情報にもとづくすべての投機的取引を予防できます。内部はもちろん、漏洩による外部の投資家のインサイダー取引を防止します。

 投資家(企業体、ファンド等)が企業買収を試みるのは、投機ではありません。しかし企業買収のスタイルで、株を売買し、差額としての利益を収得しようとするのは、巨大な投機です。スタート時にはどちらか分かりません。

 しかしながら、企業買収が試みられる、オフィシャルな理由は、自他における企業価値の評価に、客観的な落差が存在するときです。
 買収する側に、経営資源を有効に活用すれば、もっと企業価値が向上し、株主と社会に貢献できると、公に主張できるからです。

 今日、自社の企業価値を、投資市場における企業価値として、客観的に把握し、正確に公開しておくのは必須のことです。のみならず、企業価値向上への経営方針、また、それと整合する活動と結果も、公開されていなければなりません。
 これは、投機を助長しない二つ目です。

・国際会計基準準拠の必要性

 ちなみに、企業価値を客観的に把握し、正確に説明して理解されるには、グローバルに比較可能な会計の導入が必要です。国際会計基準ないしアメリカ会計基準に準拠することです。

 それは外国人投資家のためではなく、自他ともに客観的であることを相互に保証するために必要なことです。
 国によって企業によって、財務会計の数値が異なるという事態は、CSRの根幹にもとります。

 財務情報の次世代標準言語というXBRL( eXtensible Business Reporting Language )*というシステムも、国際会計基準を敷衍していく上で、有為な仕組みです。
 財務情報の正確性、信頼性を向上し、客観的な比較可能性を大幅に高めます。アクセシブルな柔軟性もあり、内外に十全の説明責任を果たせます。

 *インターネット言語XML(eXtensible Markup Language)を財務データの情報交換に
  応用したもので、アメリカ公認会計士協会のイニシアティブで開発されました。
  (→ことばの意味)


・ステークホルダー分配計算書(CSR会計)

 現在、CSR会計として分類されることがありますが、それでなくても、ステークホルダー分配計算書は、本来、企業の経済的側面の重要な公開項目です。社員、役員、株主(配当)、債権者(利息)、行政(税金)、サプライヤー(支払)、内部留保などです。

 その非公開は、企業の外部代理人としての株主に、負荷を与えていることになります。コーポレート・ガバナンス以前に、株主として公開を要求したいところでしょう。

 株主総会で、役員報酬の上位のものは、公開すべきという動議がおきることがありますが、これも一連の動きにほかなりません。取締役、監査役、CEO、COOなど、責任別報酬として公開していく必要があります。

 日本の経営者の報酬は、欧米のそれに比べたら格段に低いものです。負荷の解消のために公開して、世界にはかえって誇れるものになります。  

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